「あなたって時々えげつないわよね」
「何か言いましたか?」
更に笑顔を向けられたミレイは「何でもない」と言い、スカーレットには逆らわないことにすることにした。
「仮にイベントするにしても、物がありませんのであまり現実的ではないですよね」
気を取り直すようにレレナはミレイに話を振った。ミレイはレレナが出してくれた助け舟に意気揚々と乗った。
「そうなのよねぇ。お金もないし」
「でも何かやりてぇよなぁ。重苦しい空気が充満しているせいで、そろそろ窒息しそうなんだけど」
戦時中に能天気な話かもしれないが、此のまま何もせずに此の状態が続けば生徒達の精神が壊れてしまうかもしれない。だが、イベントをするにしても問題は山積みなのだ。
「するだけでいいなら、そんなに難しいことではないですよ」
平然と言ってのけるジェイドに視線が集まる。
「今までイベントで使ったものを再利用すれば、何かしら作れます。派手なことをすると無理がありますが、しょぼくなくていいなら何でもできますよ」
「其れもそうですね」
「やろぉ、イベント」
最初にレレナが賛成し、次にミレイが賛成をした。アドルフはわざわざ口にしなくても顔を見れば分かる。残るはスカーレットだが・・・・。
「私も別に反対はしませんよ」
問題はないようだ。
「じゃあ、早速何をする?」
「取りあえず、倉庫を見てはどうですか?」
「そうね。其の方がいろいろ湧いてくるかもしれないし」
スカーレットの提案に、ミレイは立ち上がり、足早に生徒会室を出て行った。其れにレレナとジェイド、アドルフも続く。スカーレットも倉庫に向かおうと立ち上がったが、アドルフは止めた。
「まだ、怪我が完治してないんだろう。物は俺達で運ぶからお前は大人しくしていろ」
スカーレットは完治していないまま戦闘に行っているので怪我の完治に時間がかかっているのだ。
「分かったわ。ありがとう」
「おう」
アドルフが出て行って二〇分後、其々段ボールを持って入って来た。段ボールには学校での楽しかった思い出が凝縮して入っていた。
「探せば結構あるわよ」