――うわ、本当に、美味しそう。

急に息を吹き返したように、お腹の虫が『ぐぅ』と不平をならす。

「ほら、お腹の虫が文句を言ってるわよ。遠慮しないでどうぞ」

「あ、あははは……」

私は、遠慮無く、いただくことにした。

――ごくん。

『いただきます』をして、コーンポタージュを、一口、口に含んだ。

そして広がる、優しい風味。

マフィンは、ほんのりした甘さで、口に入れるとすぐに舌の上でとろけた。

――うわ、なにこれっ!?

「美味しいっ」

お世辞じゃなく、心からの賛辞が口を突いて出た。

本当に、美味しい。

特に、このマフィンは、癖になりそうなくらい美味しい!

「そうでしょ茉莉ちゃん? 私も、病み付きなのよ。特にマフィンがね」

「はい」

って、あれ?

そう言えば、私、名前、名乗ったっけ?