「こっ、ここが神楽坂学園…!?」

お洒落な洋館の別荘?かと思いきや、そこは私が明日から通う学校だった。
いや、学園か?
どっちでもいいけど…。

「よかったじゃな~いっ!こんな素敵な学校~!!前の学校よりいいじゃないっ!父さんの転勤に感謝ね~!ほら音羽、見て!!素敵な花壇まであるわ!!ほらほら!」

「…」

母さんってば、何にもわかってないよ。
私は転校なんてしたくなかったのに。
みんなと離れたくなかったのに。
生まれそだった、あの土地から離れたくなかったのに…。

「…音羽!」

母さんの言葉に、俯いていた顔を上げる。

「そんな顔しないの。音羽はスマホだって持っいるんだから連絡だって取り合えるし、あの子達に会いたいのなら遊びに行けばいいじゃない。昔の友達付き合いもね、もちろん大事よ?でもね、あなたがこれから通う学校はここなの。明日からこの学校に通うのよ。昔ばかりにとらわれずに、今を楽しみなさい?大丈夫。音羽ならすぐに友達作れるわよ!」

「うん…」

大丈夫…なのかな?
本当に…。