次の日の朝、やってきたのはいつもと違うスーツを着た男性だった。

「今日はあなたの番です。」

スーツの男性は言った。

当然彼には何の事か分からない。

困惑している間に抱き抱えられ、見たこともない機械へと入れられた。

バタンと扉が閉まり辺りが闇に支配される。


あの頃深淵の奥底で感じていた穏やかな闇とは違っていた。

彼は怖くなって声を上げた。

「出し、て……」

涙混じりの声。

でもそれは確かに人間の言葉だった。