「あのね、頼。話もしたことない人の告白断れないっておかしいでしょ?」







「そ、そんなこと言われても…。」








「頼は優しすぎるんだよ。」








私は日代頼。
16歳。
高校2年。




今、友達にすごく責められています。







私はさっき、知らない男の人、
桃月秋くんに告白されたんだけど…
どうしても断れなくて…。




曖昧なまま、分かれてしまった。







「…だからね、頼。今からその人に言いに行こう?」







「…うん。」








そして、その人の教室に向かったんだけど、私の教室はB棟で、その人はA棟。


A棟なんて滅多にこなくて、
初めてと言ってもいいくらい。


なぜか、ギャルみたいな人とか、
怖い人ばっかりで。







「…あ、あの、も、もも、桃月秋くん…、いますか…?」








「…秋?あー、桃のことか。桃ー、女の子が呼んでる。」







「ん?わかったぁ〜。」








桃月秋くんは、そのクラスには似合わないくらいにふわふわした男の子で、いろんな友達がいるんだなーって思った。







「あの、あなたが桃月秋ですか?」







「…え?そうですけど…、あ、日代さん。」







「…あ、あの…その…」







「…あのね、頼は話もしたことない人と付き合えないって言ってます。」







友達の舞ちゃんがズバッという。
その人は動かなくなってしまった。






「そーゆーことなんで。」








「ちょっと待ってください。」









「へっ…」








「俺は、日代さんに言われるまでは諦めません。」









「…え、」









「じゃあ、」










私と舞ちゃんは唖然としたまま、
その場に立ち尽くした。