「お腹も大きくなったし
最近蹴ることも多くなっから
もうじき産まれるのね〜」

とお母さんは自分のお腹をさすって
一人で私に話しかけていた。

お父さんは、消えた。
私をおいてどこかへ行ったのだ。
お母さんはそのことを悲しまず
逆に喜んでいた。

「あんな人が家にいたら
赤ちゃんも伸びやかに育たないわっ。
ね!そーだよねー?赤ちゃん。」

お母さんはまた
大きくなったお腹の中にいる
私に話しかけた。