「...妊娠、しているのか」

彼は私のお腹を触りながら聞く

その手が優しくて

その声が優しくて涙がこぼれそうになる

でも、泣かない

『貴方の子供ではありません』

きっと、迷惑だから

私と彼が関係をもったのは3か月前

あの日は会社の飲み会だった

楽しくてどんどんお酒がすすんだ

結果、酔い潰れてしまったのだ

そこからはなんとなくだけど覚えている

目が覚めると彼の家だった

裸の身体に隣に眠る彼

私は彼が目を覚ます前に家をでた

きっと彼は覚えていない

成り行きでこうなっただけだから

そんな彼に妊娠なんて言えるはずなかった