『貴方の子供ではありません』
そう言うしかないだろう
『でも私は決めました』
この子を産むと
『3日後、会社を辞めます』
彼はただ黙って聞いてくれる
『新しい仕事先も決まっています』
お腹に重ねられた彼の手がぴくっと動く
『だから、大丈夫です』
もうきっと彼と話すことはないだろう
失礼します、と続けようとした
「ふざけんな」
彼に遮られてしまったけれど
「3か月前のことは忘れてなんかいない」
そもそも酔い潰れていたのはお前だけで俺は全部覚えている
俺の意思でお前を抱いた
そう言ったのだ
彼は優しい人だ、きっと責任をとろうとしているんだろう
「お前が好きだ、だから避妊しなかった」
避妊...しなかった??