みちるちゃんと市野先生の関係を、私がどうこうしていいわけがない。


まだ香月先生のことで頭がいっぱいなみちるちゃんは語り出すと止まらなくて、その関心は今日のファッションにとどまらなかった。

休日のファッション
音読下手な先生のカラオケの歌声
うたたねのイビキ



つくづく、この学校の美人には残念な人が多いと思う。みちるちゃん含めて。




「……うん、うんわかったみちる先生。お腹いっぱいです」

「え、まだまだ語れるんだけど!」

「もういいです!」



いろんな意味でこれ以上はもう聴いていられない。



「体育準備室、行ってきます」



市野先生が待ってる。



「あ、行くんだ?」



送り出す魔女の不敵な笑みは、絶対的に優位な立場の人が持つ余裕に私には見えた。



魔女の視線をかいくぐって、
私は嫌々、体育準備室へ急ぐ。