私はその夜、玲音君の事を考えすぎて寝付きが悪かった。
たぶん玲音君も、同じなんだろうなぁ。

朝、ママの声で目が覚めた。
私…いつのまに寝たんだろ?眠い目を擦りながら、下に降りてく。

「ねぇ、ママ?玲音君、お引っ越しするんだったら、何かあげなきゃじゃん?」
幼い私でもそういう常識はあった。

「そうねぇ・・・?今日買いに行く?ゆっくり見ながら決めましょ?」

「うん!じゃあ支度しなきゃ。」

私は自分で言うのもあれだが、オシャレには気を遣っているので鏡を見ながら洋服を選んでいる。
その為、鏡とにらめっこ。
「これ良いかなぁ?う〜ん?こっちの方が可愛いいかも!?」

私はピンクのリボンのワンピースかラフなジーンズ生地の短パンにティーシャツか迷っていた。

「姫音〜?早くしなさぁい!」

「はぁい!分かってるぅ!今行くから!」

怒り気味の母をよそに私はピンクのリボンのワンピースを着ていく事にした。