「霧龍、今日はありがとう」

「おぅ♪俺は姫音が夢が出来て嬉しい…」


車内は暖房が効き始め、雰囲気も温かいし、空気も暖かい。


「そういえば、今日で最後のデートだったね…」


もう霧龍の喜怒哀楽を見れるのも今日で最後かぁ…
そう思うと気分は晴れない

「そんな悲しい事言うなよ!?でも姫音の可愛い笑顔も今日で最後かぁ…泣いた顔め可愛いけどなぁ♪やっぱ姫音は笑顔が可愛い♪」


「霧龍ったら、私と同じ事を考えてるね!!でもそう思ったら悲しくなっちゃうよ…」

私の目から自然と涙が込みあげる。


「泣かないで?最後は笑ってお別れしよ?なッ?」


霧龍も涙を堪えた様子で懸命の笑顔をこちらに向ける

「ごッごめんね…最後は笑顔が一番!!」

私も笑う…

霧龍の笑顔、目に焼き付けなきゃ…


「今日、家まで送ってくからなッ?」


「えッ…うち遠いから良いよぉ!!」


遠慮がちに私は答える。

「俺は少しでも姫音といたいのッ!!」


その言葉がどれくらい嬉しかったかあなたは知っていますか…?


「ありがとう…」


もう感謝の言葉しか出てこないよ…


長い、長い道のりが今日は特別短く感じる…

お互い話を絶やさないように、話題を繋いでいる…


「ここ、私ん家…」


私は自分の家を指差して霧龍に知らせる。

「そうか…」