戻って来ると、玲音と來夢君は笑顔がなかった。誰も口を開ける事はなくただ、時が流れていくだけ。妙にこの雰囲気はいづらい。
私はここで、はっきり言わないと気が済まないので、重い口を開いた。

「來夢君?今日の放課後、藤樹院さんに会ってた?別れてから来たって事だよね!?」

当然、來夢君は焦っていて、目線を下に反らされた。当然冷静にはいられないだろう。冷たい目をしていたので私は不安な感情が込み上げてきた。

蜜希は不安そうな目で來夢君に注目。

「來夢・・・、正直に話して?お願い。」蜜希は必死に來夢君の腕にしがみついた。

來夢君はやっと重たい口を開いてくれた。
表情は相変わらずだけど…
「あぁ・・・。会ってたよ!?でも、これだけは分かって欲しい。浮気してたわけじゃないっ!愛夢に相談してたんだ・・・。一日も早く蜜希と仲直りがしたくて・・・信じて欲しい。これは事実だ。」


來夢君は本当に真剣な表情で蜜希に訴えかけていた。來夢君が嘘をついているとは思えない。だって、先程とは違う温かい目で訴えてるんだもん…
「信じるよ・・・。信じないわけがないじゃん。ウチと來夢、恋人同士だよ?恋人同士が不信感抱いてたら、恋人じゃないじゃん。」


まさか、蜜希の口からそんな事を言う何て、思ってもなかった。
恋人同士が不信感抱いてると真実の恋人じゃないか・・・。