今の私は、 《城でもそんなことしたことがない》 というくらい 気配を放ってしまっている。 自分の血の匂いで 鼻がきかない。 「一番の証拠が、 牢屋から出てきた って身なりでもないのに 魔力縮小リングをはめているところ… と言ったところか。」 「……あぁ、 だから 魔力が不自由だったのね…」 どうりでこんなやつに追いつかれ、 傷口が一向に塞がらないわけだ。