「あ、いやー、えと昨日のドラマの先生役の人の話でして。」


そう言った時には先生は既にホワイトボードの方へ歩き出していて私の声はきこえていなかった。


「んじゃ、かっこいい俺が授業始めるから早く座れよー!梅原と…えっと、何さんだっけ?」



「玉木です!」


なずな即答!!


え、先生もしかしてなずなの名字覚えてないの⁈



「ああ、俺名前覚えんの苦手だからさー。許して?玉木さん。」



ちらっと横のなずなをみると、なんだかすごく不満気な顔だった。そしてあたしの手を引き、席に座った。



「先生人の名前覚えるの苦手なんだね?」