「由香里、風呂行けって母さんが」
颯人が顔を出した。
「えー‼︎いや」
「えー、じゃねぇの。そのうちすぐ眠たくなんだろ」
「ならないもん!」
「なる!」
「ならない!」
なる、ならないの言い合いをさんざんした結果、颯人がおばさんに言いつけて由香里ちゃんが仕方なくお風呂に向かった。
「紀伊ちゃん、由香里すぐ出るから待っててね!」
「うん、行ってらっしゃい」
「はーい」
由香里ちゃんは元気に階段をおりていった。
「あいつ、紀伊に懐いてんな」
「嬉しいや」
ボーと床に座ったままでいると、颯人が
「久しぶりにあれやる?」
「あ、いいね」
立ち上がって颯人の部屋に入った。
颯人の部屋はきれいに片付いていていつみても私の部屋よりきれいだ。