遠巻きに二人を追いかけていく。
見てる感じ、彼女の方が一生懸命な感じね。
けど、意外。
彼女っていうんで見に来たけど、思ってた子と違う。
年下というのも、意外だったけれど、それ以上に、雰囲気が、どこかふわふわしている子だ。
とても、健気そうで、純粋そうで。
私と、正反対そうな子で。
ん?
ちょっと待てよ。
この子、私、見たことあるわよ?
どこでだっけ、確か、数週間前に、
私が藍くんの彼女かを聞きに来た子じゃない?
そうか。
あの子だったんだ。
そうか。
付き合ったんだ。
あの子、頑張りますって、言ってたっけ。
私ってば、あなたに付き合いきれると思えないとか言ったっけ。
意地悪だったなー。
あの子は、私と藍くんが同棲してることなんて知らない。
家では、何度も私を好きだと囁いてくれることも、あの子は、知らない。
藍くん、やっぱりあなたは性格が悪い。
そう言いながら、藍くんの考えてること何一つわからないけど。
性格が悪い以外に、なにがあるというの。
理由があって、付き合ってるようにも見えない。
かといって、本当に好きで付き合ってるとも思えない。
……まあ、いいか。
これは、彼と彼女の問題であって、
私には関係がない。
まだ、付き合い始めて数日も経ってないだろう。
どれだけ本気なのかもわからない。
藍くんに関しては、きっとこれからも分からないだろうけれど、もしかしたら、あの彼女の方が何かを企んでいるという可能性もゼロではない。
藍くんが、万が一にでも、騙されてるのかもしれない。
あんな純粋ぶってるようでも、腹になにか抱えてる可能性だって、あるかもしれない。
藍くんを傷つけるかもしれない。
それだけは、
私としては、許せない。
明日からは藍くんよりも、彼女の方を探ってみよう。