「なっ、」

「ゆ、百合ちゃん、大丈夫?」

「ど、どういうつもりですか!いきなり叩いて、」

「いきなり掴んだのはあなたでしょう」

「…お話したいことがあるんですけど、来てくれますか?」

「少しだけなら」


桐先輩はそういうと、百合ちゃんについてきてくれた。

けど、桐先輩って、とても綺麗な先輩だった。
髪はつやつやしてて、鼻筋も通ってて、背もスラッと高くて…

人気のないところまで移動すると、百合ちゃんが切り出した。


「先輩は、藍先輩と付き合ってるんですか?」

「付き合ってないけど」




私はそれを聞いて一人でほっとした。





「じゃあ、藍先輩とは、どういう関係なんですか?」

「幼なじみ……です」



そっか…

そっかぁ…



「すみません、こんなこと聞いて」

「いや、戻っていいですか」

「あ、あの、一つ質問しても…いいですか?」

「なんですか」

「き、桐先輩は……藍先輩のこと好きなんですか…?」

「はい。好きです。」

「えっっ、好きなの!?」


百合ちゃんが自分でむぐっと口を防いだ。



「じゃ、じゃあ、こ、告白とかは…」

「告白…?しましたね」

「ふ、フラれたということ…ですか?」

「フラれては…ないです。」

「じゃ、じゃあやっぱり付き合って…」

「さっき付き合ってないといいましたよね」



どどど、どういうこと~??

混乱してきて、私は頭を抱えながら質問を絞り出した。



「わ、私、藍先輩に告白してもいいですか??」

「…?私に断る必要があるの?」

「そ、そうですよね!!ごめんなさい!!」


ぺこぺこと頭を下げながらとても申し訳ない気持ちになった。