「ありがとう…ございます」
「別に、あと、一年の女子が昼にここのパン買うのやめた方いいよ」
「へっ?」
「じゃ」
な、なんでーーー!!?
い、いいじゃないですか別に!!
そりゃこんな男の人ばかりのとこに突っ込んでくのは嫌だったけど、パンのために体はって行ったのに…
それに、一年だからって別に買ったって良いじゃないの!!
だって、これが楽しみだったんだから…
なんだか、少し怒ったような気分としょぼんとした気分が混じりあってとぼとぼと教室に戻った。
席に行こうとすると、百合ちゃんは二人の女の子と話ながらお弁当を食べていた。
あ…、
私が、パン買いに言ってる間に、違う子とも仲良くなったんだ…
そりゃそうだよね。
百合ちゃんは誰とでも仲良くなれる子だもん…
私は黙って席に座った。
「あ!菫!やーっと帰って来た!」
「えっ、」
「え?ほらほら、早く食べよーよ!こっちの子たちとも仲良くなろ!」
「う、うん!!」
ぶわわわ、と嬉しい気持ちが胸に染み渡っていった。
ちゃんと、私のこと覚えててくれた…
「この子じゃっかん天然だけど可愛いから仲良くしてやって~」
「うん、よろしくね菫ちゃん」
「よろしくね~」
「う、うん!」
自然と笑みがこぼれた。
嬉しい。
友達が増えていく感覚がちゃんとする。
カレーパンも買えた。
私って、運いいのかも。
あ、けれど、あの人ちょっとやだったな。
譲ってくれたけど、パン買うの止められたし。
「あ、菫のカレーパンおいしそ~」
「うん、中に半熟卵が入ってるの…これ、ラスト一個で、最初買えなくてあんパン買ったんだけど、先輩が譲ってくれて…」
「へ~、なんて先輩?」
「えっと、確か、白木藍…先輩?」
「えっっ!!!?」
そのとき、百合ちゃんばかりでなく、周りの女の子達もこちらに注目していて私はぎょっとした。