出会いは突然に。


私は、その日、よくわからないけれど、

気づかないうちにパシりになっていた、らしい。






「今日のご飯はー、」


学校帰り。
今日は学校が午前中終わった。

慣れた近所のスーパーで、かごを片手に夕飯の食材を一つ一つかごのなかに溜め込んでいく。

いつものように夕飯のメニューを思い浮かべながらゆっくり選んで回る。

それを購入して、自動ドアから出たその時だった。


役20メートル先、駐車場の道路側で、複数人の女子たちがたむろしていた。
それが、本当に、ただの女子たちならよかったのだけど、近づけば近づくほどわかってくる、彼女らの正体。


私のクラスの女子だ。

しかも、藍くんのとりまきの子達だ。


じっとこちらを観察しているところを見ると、あまり良い感じではないらしいので、
とりあえず、その子たちに鉢合わせしないよう少し遠回りしたところから帰路についた。


ちらっと後ろをみれば、おもいっきり追っかけてきてる。

あ、これ、私を追いかけてる。


なんでなんでなんで！！？


とりあえずここはいったんまかないと…
こういうときって、一人づつしか入れない狭い道とかに入ってまくのがいいのよね。



「あった！」



いそいで路地裏に逃げ込み進む、向こうから出れば大分まけるはず…
身をよじらせてさっさと奥へと進んでいくと、すぐに向こう側に出た。


あとは家に向かえば…




「あれ」


回りを見渡してみると、四方建物に囲まれていて、道に出れるようなところがない。



「追い付いたわよ！」


やば、

行き止まりなのに、追い詰められた。


言いたいことならおおよそ予想がつく。
藍くん関係だろう…

ここは、ごまかして切り抜けるしかない。



「あなた、藍くんに何したのよ」

「いえ、なにもしてません」

「幼馴染みかなんか知らないけれど、前まで全然関わってなかったのにいきなりでしゃばらないでくれる？

あんたがしつこいせいでうちらが藍くんと遊べなくなるんだから」


そういえば、この前、藍くんに態度を戻すように言ってから、学校でも気兼ねなく構ってくれるようになった。


本人いわく「幼馴染みだから」といったから、それらしくすることにしたらしい。

けど、こうなるなら逆効果なんじゃ…

まあ、こんなことで藍くんに愚痴たれるほど苦しんでるわけでもないし、
とにかく、切りぬける。