それから家に居るときも学校に居るときもずっとその事を考えていた。

どうすれば藍くんは、生きたいって思ってくれるだろう。

私には、本当に何も出来ないのかな。


どうだろうか。


わからないな。


まず、彼があんな風に自分が死ぬことを受け止めすぎてるのが罪の意識のせいだって私は決めつけちゃったけれど、

実際私のただの思い込みだからな…

そこも、ちゃんと確かめたいとは思うけれど、藍くんに聞くわけにはいかないし。

そういえば、月島さんはそう思わなかったのかな。


私が藍くんのことを月島さんに聞いたとき、金銭面のことの方を取り上げて話していたから見逃していた。

けど、よりによって月島さんが気づかないわけないし。


なんか、もやもやしてきた。


そろそろどうすればいいのか分からなくなって相談しにいこうと思っていたところだったし。

私は、学校から帰宅したあと、月島さんの家を尋ねた。



けど、運悪くまだ帰ってないようだった。


いつでも居る気がしてたけど、そういえばあの人ちゃんと大学生なんだった。


こんなにゆっくりしている場合じゃないのに。


どうすればいいのか何も分からない。

このままじゃ、私、ずっと藍くんに会えないままで、藍くんが手術を拒否したら、藍くんともう二度と会えなくなる。


急がないといけない。


私は月島さんに電話をかけた。

すると、すぐに月島さんの声が聞こえた。


『なに?』


「あ、あの、相談したいことがあって、いつ帰りますか」


『あー、もう着くけど』


「じゃあ、私、行きます」


『あんたの友達居なくていいの?』


「え?あ、はい」


『…いいけど』



少し気になる間があったような気がしたけど、私は電話を切りそのまま家を出た。

そこでちょうど月島さんと鉢合わせした。