いつもの帰り道。

いつもの時間。

いつもの格好。

ただ一つ違うのは隣にるいくんがいることだけ…
「どうかした?」

その声に思わず顔をあげてしまう。

こんなささいなことにも気づいてくれる。

どうしよう。胸が苦しいよ…
「まちこ?大丈夫?」

「あ…うん。ごめんね。」そう言って笑う。

「いや…え?まちこ何もしてないじゃん。」

あぁ…だめだ。緊張して上手く話せない。
るいくんにも心配させて…私ってほんとバカ。何やってるんだろう。
ただ、るいくんが隣にいるだけなのに…

自然に目がアスファルトに向いてしまう。
「まちこ!!」

ふいに名前を呼ばれてまた、顔をあげる。
「なに?」
精一杯の笑顔で聞く。

よし。今度はちゃんと笑えて…
「今度の日曜日。どっか行かない?」

「え。あっ…うん。」そんなこと言うなんて、ずるいよ…
絶対顔が真っ赤だって…

もうすぐバイバイの場所だ…
2人でいると早いな~…

「じゃあ、俺こっちだから。また日曜日な!」

「うん。日曜日ね!バイバイ。」

「おう。じゃーな。」

家に着き、自分のベッドにダイブする。
そしてぬいぐるみを抱いて考える。

あーー!どーしよー。服どんなのがいいかな?

「あっ、そーだ!恋愛の先輩にLINEしよーっと。」
"ねぇー聞いてー!日曜日2人でデートすることになったの。それで、男の人ってどんな服が好きだと思う?"

私はドキドキしながら、返信を待つ。

そんな時るいくんからLINEがきたと思ったら、恋愛の先輩からくるはずだった答えが…
内容は
"お前LINEの相手違ってるし(笑)まあ、俺は似合っていればどんな服でもいいけど、まちこのワンピース姿、見てみたい。日曜日楽しみにしてるよ。おやすみ(-д-o)。o○Zzz"

だって!どーしよー。
友達と遊びに行く時だって家族と出かける時だってワンピースなんて着ないのにー。
まあ、持ってるからいいんだけどさ。