メイドやってると、お客様の小さな仕草とか反応とかも分かってくるようになる。


そのせいからか、誰が今なにを思っているのかとか、嘘をついているとか大体分かってしまうようになった。



「…栄ちゃん、美桜と何かあったんですか?」

「え?」

「明らかに様子がおかしいですよ」

「…はぁ。小鳥遊さんて大人しそうな顔して結構鋭いんだね?」

「いえ…栄ちゃんが分かりやすいだけです」

「そ、そっか……ははは」



栄ちゃんは少し悲しそうに笑った。



「俺ね美桜とは……恋人同士だったんだ」

「えっ?!」



ええええええ?!


初耳なんですけど……。


まじですか……?



「知らなかったの?」

「はい…知りませんでした」

「そっか。ま、言えないよな…。俺と付き合ってたなんて」

「いつ…ですか?」

「美桜が一年の時に付き合って、二年の夏に別れたんだ」



二年の夏……。


そういえば……長い間連絡とれない時期があった。


事情は聞いたけれど話してくれなかったっけ。


あの時…別れたってことだよね……。