「……あー、やばい。小鳥遊さん僕の方見て」

「え?」

「いいって言うまでそのままね。窓の方見ないで」

「…?はい」



よくわからないけど、先生に言われた通りにした。


窓の外に何かあるのだろうか?



「んー大丈夫かな。もういいよ」

「…何かあったんですか?」

「ううん。別に何でもないよ」



何でもないとか気になるなぁ。



「もうすぐ駅だけど、右左どっち?」

「左に曲がったらずっと真っ直ぐです」

「りょーかい」



少し車を走らせればすぐに私の家の目の前だった。



「ありがとうございます」

「ん。お大事にね」



ドアを閉めて、先生に一礼すると笑って手を振っていた。