15分ほど走ったバイクは金煌の倉庫で
止まった。
「悠莉、ありがとっ!」
そう言って倉庫に入ろうとすると
悠莉に手を掴まれた。
「姫華ちゃん………。」
悠莉の目は揺れていて何か不安を予感
させるような目だった。
「どしたの?悠莉?」
「…………っ………なんでもない。」
何か言いたそうだったけど本人が
言いたくないんだったら言わせない方が
いいと思ったからそっとしておいた。
「じゃあ、入ろうか!」
「………………うん…………」
倉庫に入ると下っ端君達がボーッと
していた。
「挨拶は……………」
悠莉がボソッと呟くと下っ端君達は
焦ったように挨拶しだした。
金煌の下っ端君達は何してんのかな?
ボーッとするだけなら倉庫なんか
来なきゃいいのに。
そう思いながら歩いていると
「姫華さぁーーん!」
って聞こえてきた。パッと後ろを見ると
この前戦った勝也が抱きついてきた
「勝也ぁー!頑張ってるね!」
「はい!姫華さんに勝ちたいですし!」
「ふふっ。そっか!頑張ってね!」
ニコッと笑うと勝也は真っ赤な顔をして
逃げるように去っていった
私なんか変なことした?