「奈々ちゃん!お兄ちゃんは奈々ちゃんのこと忘れても、僕は奈々ちゃんのこと
だぁーい好きだからね!」



輝琉君………本当に輝琉君は私の天使
だよ。ありがとう。



「それに、僕、お兄ちゃんの今の彼女
さん。あんまり好きじゃないもん。」




え……………?隆弘に彼女?
いたんだ………彼女。




急に胸がギュッと締め付けられるような
感覚に襲われて、息が吸えない。
頭が真っ白になって体が震えている。




「おい、輝琉。あんまり里奈の悪口
言うんじゃねーよ。」




そう言った隆弘は起こった顔をしていて
彼女さんが本当に好きなんだなぁ。





私は…………






「あ…………れ?隆弘?」


声のした方を見るといなくなったみんなが集まっていて、菜摘は私の顔と隆弘の
顔を見比べるように見ていた。





「もしかして……奈々の記憶が……?」





「うぅん。菜摘、どこ行ってたの?」






不自然な笑顔を顔に張り付けるとみんなのもとへ走っていった。





「奈々…………」