「ごめんなさいっ!」
急に頭を下げた輝琉君。ビックリしちゃって何が起こったのか分からなくて
隆弘を見たら目を見開いていた。
「輝琉君!?え?どうしたの?」
輝琉君が頭をあげて不安そうに見つめてきたから頭を撫でてあげた。
「奈々ちゃんはお兄ちゃんの彼女さん
だったのに……………
お兄ちゃんが奈々ちゃんのこと忘れちゃってごめんなさいっ!」
輝琉君…………
私は無意識に輝琉君を抱きしめていた。
「大丈夫だよ。ありがとうね輝琉君。
隆弘君には隆弘君の人生があるから。
隆弘君にはもう忘れなきゃいけないほど
辛いことだったんだよ。
私もそろそろ覚悟を決めなきゃ……」
輝琉君に言ってるけど自分にも言い聞かせるように。
「奈々……。」
奏が悲しそうな顔で見つめていた。
奏に向かって微笑むと奏も微笑み返してくれた。