ちょっとずつ収まってきた涙を拭うと
静かな廊下を歩き出した。
途中、なおちゃんに会った。
「奈々?どうしたんだ?」
「うぅん。なんでもないよ!あ!
そう言えばしんちゃんが呼んでたよ?」
「お!まじか!じゃあ、後でな!」
「ん…………バイバイ!」
ごめんね。なおちゃん。しんちゃん。
迷惑ばかりかけちゃって……
本当はもっと学校で楽しく過ごした
かったよ。でもね……そろそろお迎えが
来ちゃうんだ。
多分……もう帰ってこれないよ。
この制服を着るのも今日が最後。
「ありがとうっっ。」
そう呟いて学校を出た