コンコンコン
「入れ。」
静かなしんちゃんの声が響く
「失礼します。2-Sの神咲奈々です」
ドアを静かに閉めるとしんちゃんを見た
いつもなら抱きついてくるのに
今日は腕を組んでじっと見ている。
「………奈々。退学届けは受理しない」
第一声がそれ!?なんてツッコミたく
なったけど、場の空気が……
「なんでですか。」
「あと3ヶ月あるはずだ。何回かは
来れるはずだろ?」
「しんちゃん知って………?」
しんちゃんは苦しそうに顔を歪めた
こんな顔を私がさせているんだ。
「朝、美里から電話があった。」
美里っていうのは私のお母さんの名前。
大輔さんの前の代が
お父さんが総長、お母さんが副総長、
しんちゃん、なおちゃんが幹部
だったから、今でも仲がいいみたい。
「そろそろなんだな……。皇龍の皆には
話したのか?」
「うぅん。話してない。それに、話す
つもりないよ。巻き込みたくない」
「奈々……」
「しんちゃん、心配しないで。
もうそろそろ決着をつけなきゃいけない
と思ってたから………」