午後二時
 目覚まし時計が鳴るには遅すぎる。しかし、この時間で間違っているわけではないのだ。
 これで正しい。
 たとえ西日が差し込んでくる時間であろうと、私にとってはこの時間が朝になるのだ。

 私は、頭から被った布団から顔を出さずに、頭上の辺りにあるはずの目覚ましのアラームを消そうと手を伸ばす。
 しかし、いつまでもそれを見つけることが出来ず、眠気の中に少しの苛立ちが混ざってきた。
 身体を起こして止めるのが正しいのだろう。だが、睡眠導入剤の影響なのか、腕以外の自由がうまくきかない。
 しばらくその状態のままで腕を動かしてみるが成果を得ることは無く、私は目覚ましを止めることを諦め、まだうまく動かせぬ腕で耳を塞いだ。