学校生活も3年目になれば、
苦手な人の1人や2人は出来る。
人見知りのしない私だったが、
どうしても苦手な人が居る。
有馬 冬也(ありま とうや)。
彼とは1年生の時に同じクラスだった
大きな瞳に整った顔立ち
文武両道で寡黙な彼は、
人と群れを作ることが嫌いらしく
1人で居ることが多い。
そんな彼に恋心を抱く女子は沢山居たが
彼は恋愛に興味が無いようだった。
私は全て見透かすような彼の瞳と
何でも出来てしまうが故に
バカにされてるように感じる態度が苦手だった。
最悪なことに、また彼と同じクラスになった。
唯一の救いは、
出席番号順に並べてある机で
あ行とさ行では席が離れていること。
あまり関わらないようにしよう...
そう思った。