「あの、落としましたよ?」


……。


「あの…。」


「あ、ありがとうございます!」


そう言って深く頭を下げる俺。


目の前の彼女は俺の落としたハンカチを握っていて。


どこの学校かは分からないけど、可愛らしい彼女に似合う制服だった。


「じゃあ、私はこれで。」


それだけ言うと彼女は行ってしまった。



可愛い。


彼女が去ってしまった後も、俺はその言葉だけが頭の中に残っていた。


おそらく、ここに居ると言うことはこの学校を受験した人。


もしかしたら……


また会える!!??


期待を胸に俺は歩き出す。


また会えると信じて。