「……なぜ？」
目の前の女、笹山雫は聞く。
“如月は告白しないの？”
と……。
なぜ？なぜ告白する？
「俺は友達になれただけで十分だ。」
「じゃないでしょ。普通もの盗む？てゆうかあんた覗いてんの？なんでも知ってるんだね。」
「知ってなにが悪い！」
「やり方っちゅーものがあんでしょ？！」
「しかし…」
もう日課になってしまった。
それに、陰で見守れるだけで幸せだし…
そんな事を考えていると、笹山さんはため息を
つく。
「まぁ…あの子鈍感だし、全く気付いてないからいいんじゃない？むしろ本当に良い人！とか言ってるし。」
え…？
「い、今なんて！？皐月は…なんて言ったんだ！？」
「だから…良い人って…。」
良い人。良い人。良い人…
良い人！！！！
「なんて俺は幸せ者なんだ…。」
そんな俺をみて笹山さんがため息をついていたのを俺は知らない。
