「あれ?」


「どうしたの?皐月。」


皐月はガサゴソと鞄の中をあさっている。


「体操服がなくて…。」


「落としたんじゃない?一緒に探すよ。」


「皐月!落ちてたよ!」


如月現る。

手には体操服。


お、なかなかやるやないの。


「ありがとう!翼って物見つけるの上手だよね!」


「そんな事ないよ。」


照れてるやん。やっぱり嬉しいんだね。


「あるよ!この前は髪留め。その前もシャーペンとかハンカチ!財布も見つけてくれたよね!」


「皐月はおっちょこちょいだから。」



……。

なぜそんなに見つけられる…?


如月が去った後聞いてみると、


「翼は本当にすごいよね!探偵やった方が良いと思う!」


「…財布は大丈夫だったの?」


「うん!一応中確かめたら、なんかお金増えててさ。もうびっくり!」


「…その間に、如月に奢ったりした?」


皐月はうーんと考え、パッと明るくなる。


「そういやそうだ!翼に奢ったあと、財布なくなって、そしたら翼が見つけてくれてね。“俺に奢るとこうなるって、なんか危ないからもう俺に奢らないでね。”って言われた。」



さいですか…。


彼は少々プライドはあるみたいです。



それよりも、私は彼に聞いてみたいと思う。


ストーカーしてる自覚はあるのか……。