そしてある時には。



「皐月。」


「なに?翼。」


「卵焼き…ちょうだい!」


おいおい。まだ1時間目だぞ?


「え?いいよ?」


「あ、あとでちょうだいね!絶対!」


そう言って席に着く如月。



なんで卵焼きなんか…。


ん?


…まさかだけど……。



「ねぇ、皐月。」


「なに?雫。」


「卵焼き、自分で作ったりした…?」


皐月は驚いた顔をしている。


「なんでわかったの!?雫すごーい!実は料理頑張ろうと思ってさ!卵焼き今日初めて焼いたの!」


あ…さいですか…。



パッと如月に目を向ける。


まるで頭の上に花が咲いているような浮かれっぷり。


幸せなのね…。