「瀬野尾?ホットミルク持ってきた。飲めそう?」
目を開くとまた柔らかい笑顔の秋安先輩。
頷いてから体を起こそうとすると、そっと背中に手がかかる。
先輩の手はちょっと冷たくて心地よかった。
「…おいしい。」
一口飲んでそう言うと、先輩は嬉しそうにまた笑った。
「よかった。
明日は休みだし、泊まっていきな。」
「え。」
さすがにそれは申し訳なさすぎる。
きっと私が意識を失ってしまったから、仕方なく連れてきただろうに。
慌てる私を先輩は、別の意味で捉えたらしい。
「だーいじょぶ。
俺はソファーで寝るから。」
そっか、同じ家で寝るということはそういうことで…改めてここは先輩の家なんだと思うとちょっとドキドキした。
「じゃあ…お言葉に甘えて。」
「おお。甘えとけ甘えとけ。」