‐時間21:56

俺は激しい痛みと疲労で意識が朦朧としていた。俺は床に倒れようとしていた。

グラッ……

「ビーストさんっ!!」

みかちゃんが俺を受け止めてくれた。

ズキッ……

受け止めた瞬間、鈍い痛みが身体中に響いた。

「んぐっ……痛っ……はぁっ……み……みかちゃんっ……。」

「すみませんっ……痛みますよね。」

「……ぐっ……あーいててて……。ビーストー……おはよー。」

レッドが目を覚まし、こちらに歩いてきた。

「チッ……相変わらず……回復早いな。」

「相変わらずっ……ボロボロだねー。何?これジョー君が殺ったの?」

「……自殺した。」

えー?つまんないなー。と、レッドが言う。

「……っ……倒したのね。……無事?」

リッサがフラフラとこちらへ歩いてきた。

「リッサさんっ!」

みかちゃんは俺から離れ、リッサを支えに行った。支えの無くなった俺は、ガクンと足の力が抜け、膝から崩れ落ちた。

「……ぐっ……。」

「ジョー君っ!!」

レッドが叫んだ。珍しく、俺のことを心配してくれた。俺は視界が真っ白に飛んでいくのを感じた。両膝をつき、前に倒れそうになった瞬間、何かに当たった。いや、支えられた。

「……何やってんのさ君。相変わらずボロボロだねー君は。」

ドライブが俺のことを支えてくれた。

「……っ……ドライブっ……目……覚めてたのか……。」

「あったり前じゃないか!困ってる子がいるなら、地球の裏側にだって助けに行くさ!それが俺たちの仕事だっ!さあ、立てるかい?ここから出なくては!」

ドライブは、俺の身体を抱き上げ立たせた。満面の笑みで。

「……ビーストさん、嫌なら嫌と言わなければ駄目ですよ。」

クリーンが俺に告げる。ドライブは懲りずにまた、俺の体を愛でるように触れている。

「……そんな気力もねぇよっ。……俺は早く、家に帰って寝てぇ……。」

「じゃあ!このまま触り続けても問題なしっていうこt……。」

言い終わる前に、クリーンがドライブの脇腹に蹴りをくらわした。

「グフッ……!いっ……今、けが人背負ってるからやめようっ!?ねっ!?」

「だったら……セクハラするな。ビーストさんから離れろ。」

「離れたら支えられないよっ!?」

「2人ともー。喧嘩しないでよー。ビーストの傷にさわるでしょー。痛めつけるのは俺の仕事だからー。」

「はあぁ……問題児が多くて困るわ……。」

「あははは……、リッサさん。お疲れ様です……。」

なんて賑やか何だろうな。俺は、こんなにも楽しい奴らと仕事が出来てよかった。そう思った。

だが俺は、重大なことを忘れていた。