「あーんな!何してんの?」







「想!和希!別にボーっとしてただけだよ。」








「杏奈多いよなー、そーゆーの。」









私は、小林杏奈。
18歳。








そして、この人達は幼馴染み。
一人は桐原想。
S。
だけど、優しい。


もう一人は桃山和希。
マイペース、無関心。








「杏奈、今日早退するんでしょ?」







「うん。今日は大切な日だからね。」








「そか。」








今日は、ママの命日。
私が幼稚園に通ってる時、病気で亡くなった。
もうなくなってから、13年経つ。




小さい頃に亡くなったからか、私はあんまりママとの記憶がない。








「杏奈、あんま思い詰めんなよ。」







「リラックスだよ。」








「うん。ありがとう!」








そして、学校についてから、席に着くと、ひな子が来た。







「杏奈おっはよ!」








「おはよ、ひな子。」








「今日何時?」







「11時。」








久野ひな子。
私の友達。







「で、杏奈、どっちなの?」







「また?だから、いつも言ってるじゃん。」








「だって杏奈教えてくんないもん。」








ひな子は、想と和希どっちが好きなのか気になるらしい。
私は…、想が好き。
だけど、誰にも言ったことなんてない。




言ったら、和希がきっと離れてしまうから。