「結愛!おはよ!」
「うっす!」

「おはよ!」

今日は紗奈と晃汰の二人に出迎えられた

「朝っぱらからいちゃつくの見るのは辛い〜」
「 別にいちゃついてないよ!ね!晃汰!」
「おう!いちゃついてないぞ〜」
「はいはいごめんねー」

適当に謝った私にゲンコツしてきた紗奈

「痛いよ紗奈!」
「結愛が悪い!あ、そういえばさ!今日転校生くるんだって!」
「へぇ〜どこに?」
「あたし達のクラスに!」
「おー!そうなんだー!楽しみだね!」
「だよね!」

ガラガラッ

「席座れ〜転校生紹介するぞ〜」

担任が入ってきて一斉にみんな席についた
みんなが席についたのを確認して
「よ〜し入ってこ〜い」

タンタンタンタン

「かっこいい〜!」
「イケメン!」
「タイプかも〜」

ざわざわし始める教室

茶髪で少しチャラい感じの少年
目はくりっとしていて綺麗な二重

ドクンドクン

妙にうるさくなってくる私の心臓

「え…うそ…」

「紹介する〜桜木翔(さくらぎしょう)だ〜みんな仲良くな!ほれ、桜木も自己紹介しろ!」

「桜木翔っす、よろしく」

少年はどこを見るでもなくただまっすぐ見て言った

「じゃあ桜木は後ろの空いてる席に座れ〜」

後ろの空いてる席
私の隣の列
私の座っている窓側の席の斜め後ろ。
ちなみに私の後ろには席がないため私が一番後ろになっている

翔くんは私のほう見ないまま
すうっと私の横を通り過ぎた。

ふわっ
ほのかに香ってきた匂い

間違いない!翔くんだ!

あたしの大好きな匂い

見た目は想像をはるかに超えていて、
小さい頃の翔くんの面影はない
だけど私にはわかった。
翔くんだと。

翔くんは気づいていないのかな…