梅雨明けがだんだん近づいてくる七月の日。
日直の私は放課後の静かな教室で席について学級日誌を書いていた。
もう一人の日直の人は部活に向かうのに急いでいたようだから日誌の記入は私一人。
だけど他の日直の仕事は二人でやったから問題はないと思う。
日誌を書き終えた私は机の上にシャーペンを置いてページをめくっていく。
前に自分が日直だった日を探してそのページを開いた。
私のクラスはクジで男女のペアを決めて、一回りしたらまたクジで日直のペアと順番を決めていて前回は六月の中頃だった。
担任の先生からのコメント欄に目を通してその文章に胸がモヤモヤというかチリチリというか何とも言えない感じになっていく。
──囲碁のプロ棋士になるよう応援しています。
先生から私に向けてのコメントはそう書かれていた。
小さい頃におじいちゃんから教わった囲碁に自分でも不思議なほどにはまり、今ではプロを目指して院生として籍を置いている。
夏季の採用者は新年度から六月までの成績で決められて、日直をした頃は調子がよくて最上位の組のさらにその中で上の順位を保っていた。
自分では油断していないつもりだった。
──だけど、きっと心のどこかで油断していたんだと思う。今度こそはいけるかもって……。
結果は三位。
夏季は成績一位の人のみ採用となっているから二位以下はみんな悔しい思いをしたと思う。
冬季の試験に向けて意識を切りかえなきゃと思うのになかなかそれができなくて、私は力の入った手でページをくしゃくしゃにしそうになって慌てて日誌を閉じた。