「うるせぇ!お前が気付かないのが悪いんだ! 」
 
 
「何よ!?普通気付くわけないでしょ!」
 
 
いつの間にか、あたしたちは子供の様な言い争いをしていた。
 
 
 
「‥まぁ、一応言うだけだけど‥‥ありがとね。」
 
 
「お‥おう。」
 
 
 
‥さっきはあんなこと言っちゃたけど、本当は嬉しかった。
 
 
ぶっきらぼうな氷夜の優しさが、すごく嬉しかった。
 
 
 
 
ポツ‥ポツ‥‥
 
 
「おい、雨降ってきたぞ!」
 
 
「どうしよう‥。」
 
 
‥‥帰るのには、あと何十分もかかるし‥。
 
 
「‥そうだな‥‥どうするか。」
 
 
 
あたしたちがそんな会話をしている間にも、どんどん雨は強くなる。