「私が龍君の幸せを奪ったのと同じなんです‥。
 
私がもっと強かったら‥‥。」
 
 
芽夢の声が苦しそうだった。
 
 
「それで‥‥
二人で学校に行かなくなったの?」
 
 
 
「‥はい。
 
私は止めたんですけど、龍君がどうしても納得してくれなくて。」
 
 
苦笑いしながら芽夢は言う。
 
 
「龍は本当に芽夢のことが大切なんだね。」
 
あたしは素直に思ったことを言った。
 
 
「え?」
 
 
芽夢は疑問の声をあげた。
 
 
 
「だって、普通そこまで出来ないよ。
 
 
それに龍は今が幸せだとあたしは思うよ?」
 
 
 
「どうしてですか?」
 
 
首をかしげ、あたしに言った。
 
 
 
「龍にしてみれば、芽夢と一緒に居れることが幸せなんじゃないかな?」