‥‥覚えてない‥?
 
 
あんなに酷いことしたのに?
 
あたし苦しかったのに‥。
死にたいほど苦しかったのに‥。
 
 
 
「覚えてねぇだと?」
 
 
‥‥え?
 
 
「魅夜がどんなに苦しかったと思ってんだ!
 
魅夜がどんな思いで毎日過ごしてたか‥‥
てめぇらには分からねぇだろうな。」
 
 
‥氷夜‥‥?
 
あたしの為に‥怒ってくれてるの?
 
 
 
「そんなの、ウチらが分かるわけないじゃん。」
 
 
‥‥‥分かるわけない‥‥。
 
どうして‥‥。
 
どこまであたしを苦しめれば、気がすむの‥?
 
 
 
あたしは唇を噛み締めた。
 
 
涙が出てきそうだったから。
 
 
 
スッ‥
 
不意に、あたしの前に誰かが立った。