「‥龍君!」
 
 
黙って話を聞いていた芽夢が、いきなり龍を呼んだ。
 
 
「なんだ、芽夢?」
 
 
 
「あの娘たちには悪いですけど、カフェの場所だけ聞いてきて。
 
案内は要りません。」
 
 
‥こんなに堂々と話す芽夢、初めて見た。
 
いつものふわふわした雰囲気の芽夢は居なかった。
 
 
 
「‥カフェの場所だけ聞けば良いんだな?」
 
 
龍は確認するように芽夢に言った。
 
 
「うん。
 
絶対にあの娘たちを、私たちのところへは連れて来ないで。」
 
 
芽夢がいつもと違いすぎて、あたしは正直びっくりした。
 
 
「分かった。」
 
 
龍はそう返事をすると、あの娘たちのところへ行った。