「あぁ、あの紙ねー。
 
持ってくるの忘れちゃった。」
 
 
舌を少し出して、可愛らしく言った。
 
 
「可愛らしく言ってもダメ!
 
これからどうするのよー!」
 
 
あたしがそう言うと、氷夜が口を開いた。
 
 
「一旦戻るか。」
 
 
あたしたちは既に、遠くへ歩いて来ていた。
 
 
「‥刹那君、でも結構遠くに来ちゃいましたよ?」
 
 
‥‥今さら戻るのも気が乗らないなぁ。
 
だけど紙がなきゃ場所が分からないし‥。
 
 
 
「戻るより、そこら辺に居る人に聞こうぜ。
 
戻ってまた来るの疲れるし。」
 
 
「それ良いね!
 
じゃあ早速‥‥」
 
 
流雨は近くに居た老人に声をかけようとした。
 
 
 
「流雨、バカだろお前。」