‥こんな風に人と冗談を言い合ったり、笑ったりする日が来るなんて‥‥
 
一ヶ月前のあたしだったら、考えてもいなかっただろうな。
 
 
 
「はい、これは氷夜の。」
 
あたしは買い物袋から、頼まれていた個人のものを差し出した。
 
「おう。」
 
 
「それで‥‥これが流雨の。」
 
 
「やったぁ!この期間限定のお菓子食べたかったのよね。」
 
 
 
「あと‥芽夢ちゃんのは‥‥あれ?」
 
あたしはメモ用紙を見た。
 
 
「わっ私は特に頼んでいませんので‥‥。
 
魅夜さんに買いに行かせるのは‥悪いので。」
 
 
芽夢はそう言って、遠慮しがちに笑った。
 
 
「‥そっかぁ。」
 
 
あたしは、頑張って笑顔をつくって言った。