「ありがとう。」
 
 
 
氷夜は小さく、安心した表情で微笑んだ。
 
 
そして氷夜は、静かにお墓の前に立った。
 
 
 
 
「‥父さん‥‥。
 
 
俺はあんたを許さない。
 
許すつもりもない。
 
 
あんたが‥母さんを‥‥。
 
‥母さんの人生を狂わせたんだ!
奪ったんだ‥!
 
 
 
今までそう思って‥
全てあんたのせいにして逃げてきた。
 
 
‥俺だって‥‥‥。
 
 
 
父さんと母さんが掴めなかった幸せ、俺は必ず掴みとる。
 
 
二人の分まで幸せになるから。」
 
 
 
それからあたしたちは、また来た道を戻って行った。