「でも、その前にご飯食べない?」
 
 
気付けば、もう時計は十二時を回っていた。
 
 
「だな。お前、何食いたい?」
 
 
予想外の質問に、あたしは少し悩む。
 
 
「あたしは‥‥別に何でも良いけど‥。
 
高くないところが良いかな。」
 
 
「高くないところって何だよ、それ。」
 
 
「節約よ、節約!
なら氷夜が、あたしの分まで払ってくれるの!?」
 
 
「払うわけねぇだろっ!
俺だって金ねぇんだ!」
 
 
「だから高くないところって言ったの!」
 
 
言い争いが終わると、あたしと氷夜は顔を見合わせた。
 
 
 
「ふふっ。」
「ははっ。」
 
 
どちらからともなく、お互いに笑いがこぼれた。