「ちっ、しょうがねぇ。
さっさと行くぞ!」
 
「あっ、氷夜。」
 
 
出て行こうとする氷夜を、流雨が止めた。
 
「せっかく私があげたチャンス、無駄にするんじゃないわよ。」
 
 
‥‥‥?
 
何を言ったのか、あたしにはあまり聞こえなかった。
 
 
 
 
 
バタンッ
 
扉の音と共に、あたしたちは出掛けて行った。
 
 
 
「‥作戦通りね。」
 
「私、魅夜さんに気付かれるんじゃないかと、どきどきしました。」
 
「本当だぜ。まぁ、うまくいって良かったじゃねぇか。」
 
 
この三人の作戦の内容はというと‥
 
 
 
1、あらかじめ他の割り箸よりも王様の割り箸を少し短くしておき、それを流雨が引く。
 
2、芽夢と龍は自分の番号を確認したら、その番号の回数だけ頷き、流雨に教える。
 
3、魅夜と氷夜の引いた番号に命令。
 
 
 
という、とても簡単なものだった。
 
 
そして、三人がそんな話をしていることをあたしと氷夜が知るはずも無かった。