「残念だったな。」
 
そんな氷夜の肩をぽんっ、と軽く龍が叩く。
 
 
「な、何がだよ!」
 
「はいはーい、じゃあ早速やるわよ!」
 
 
そんな氷夜を放っておき、流雨はゲームを始めていった。
 
 
 
 
 
「せーの‥‥」
『王様だーれだ!!』
 
お馴染みのこの合図で、全員一斉に割り箸を引いた。
 
 
「ラッキー!私が王様よ。」
 
 
そう言ったのは流雨。
 
 
 
‥‥‥?
 
気のせいか、隣に居る芽夢が頷いている様に見えた。
 
 
 
「芽夢、どうかした?」
 
 
少し不思議に思い、あたしは問いかけてみる。
 
 
「‥いえ?」
 
 
‥‥やっぱり、気のせいか。