私は携帯電話を切ると、窓から外に目をやった。


雨は弱くなることなく、むしろ強さを増しているような気がする。


百合子は、今、どこで、何をしているのだろう?


私がそんなことを考えながら、なんとなくテレビの画面を見ていると、私の耳に、サスペンスドラマのセリフが入ってきた。


〈 私、あの人のことが許せなかったんです。

だって、あの人だけが幸せそうだったから…… 〉


〈 だからって、君は人を殺すのか! 〉


百合子は雨の中、家に帰ってこれずにいるのではと私は思った。


もしかしたら、百合子はまだ学校にいるのかもしれない。


百合子が学校に戻ると、激しい雨が降ってきて、それで百合子は……。


〈 あの人が生きていると、私は幸せになれない 〉


〈 だからといって、君がしたことは、許されることじゃないんだ 〉